平成26年3月31日策定
平成31年4月19日改訂
令和7年3月10日改訂
筑波大学附属久里浜特別支援学校長

1 いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針

(基本理念)

 いじめは、いじめを受けた幼児児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものである。
 このことに鑑み、いじめ防止等の対策の基本理念及び附属学校教育局と本校における取組をそれぞれ定めることにより、いじめ防止等のための対策を、附属学校教育局及び各附属学校が総合的且つ効果的に推進するものとする。
 本校では、全ての幼児児童がいじめを行わず、及び他の幼児児童に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないように、いじめが心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する幼児児童の理解を深めることを旨として、いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対応(以下、「いじめの防止等」という。)のための対策を行う。

(いじめの禁止)

 幼児児童は、いじめを行ってはならない。

(学校及び職員の責務)

 教職員はいじめの問題への対応は、幼児児童観や指導の在り方が問われる問題であることを常に意識し、いじめが行われず、全ての幼児児童が安心して学習その他の活動に取り組むことができるように、保護者やその他関係者と連携を図りながら、学校全体でいじめの防止と早期発見に取り組むとともに、いじめが疑われる場合は、適切かつ迅速にこれに対処し、さらにその再発防止に努める。

(いじめの問題への指導方針)

ア いじめは絶対に許されないとの毅然とした態度をもち、いじめられている幼児児童の立場に立って指導する。

イ 幼児児童の知的障害や対人関係およびコミュニケーションの障害が背景要因となる可能性に十分配慮した上で、いじめの問題がそれぞれの幼児児童の「教育課題」であるとの認識を基礎とし、指導する。

ウ 全ての幼児児童がいじめを行わず、いじめを認識しながら放置することがないよう、いじめが、いじめられた幼児児童の心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与え、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがある許されない行為であることについて、幼児児童が十分理解できるように指導する。

エ 一人一人の個性に応じた指導を徹底するとともに、幼児児童が自らいじめをなくそうとする態度を身につける等、望ましい集団づくりについて指導する。

2 いじめの防止等のための対策の基本となる事項

(1)基本施策

①学校におけるいじめの防止

ア 幼児児童の豊かな情操と道徳心を培い、心の通うコミュニケーション能力の素地を養うため、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図る。

イ いじめ防止に資する幼児児童の活動を支援し、幼児児童とともに考え、行動する。

ウ 交流活動や行事、ボランティア活動等を通して保護者並びに地域住民その他の関係者との連携を深め、地域で幼児児童を見守る体制づくりに努める。

エ いじめは決して許されないという共通認識に立ち、全教職員がいじめの態様や特質等について年度当初の校内研修や職員会議と通して共通理解を図り、組織的に対応する。

オ 幼児児童の少しの変化も見逃さず、見守っていくために校務の効率化を図り、幼児児童と関わる時間を多くするよう努める。

②いじめの早期発見のための措置

ア いじめ調査等
 いじめを早期に発見するため、在籍する幼児児童に対する定期的な調査を次のとおり実施する。  
 (ア)連絡帳を通した学級担任による保護者からの聞き取り調査 随時
 (イ)個別面談を通じた学級担任による保護者からの聞き取り調査 年3回(5月、10月、2月)

イ いじめ相談体制
 幼児児童及び保護者がいじめに係る相談を行うことができるよう、次のとおり相談体制の整備を行う。
 (ア)スクールカウンセラーの活用
 (イ)学校あんしん推進相談窓口(相談員)の設置
 (ウ)学部主事を中心とするいじめ相談窓口の設置

ウ いじめの防止等のための職員研修
 いじめの防止等のための対策に関する研修を年間計画に位置付けて実施し、いじめの防止等に関する教職員の資質向上を図る。

 ③インターネットを通じて行われるいじめに対する対策

 幼児児童及び保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性、その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し及び効果的に対処できるように、教職員向け研修会等を行う。

(2)いじめ防止等に関する措置

①いじめの防止等の対策のための組織「いじめ防止対策会議」の設置

<構成員>
 校長、副校長、幼稚部主事、小学部主事、主幹教諭、事務係長、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、附属学校教育局指導教員、その他校長が指名した教諭

<活 動>
ア いじめの早期発見に関すること(アンケート調査、教育相談等)
イ いじめ防止に関すること。
ウ いじめ事案に対する対応に関すること。
エ いじめが心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する子供の理解を深めること。

<開 催>
 各学年や学部において、いじめを含む幼児児童の情報共有を日常的に行った上で、「いじめ防止対策会議」を各学期末に定例会として開催する。また、いじめ事案発生時は緊急開催とする。

②いじめに対する措置

ア いじめに係る相談を受けた場合は、速やかに事実の有無の確認を行う。

イ いじめの事実が確認された場合は、いじめをやめさせ、その再発を防止するため、いじめを受けた幼児児童及び保護者に対する支援と、いじめを行った幼児児童への指導並びにその保護者への助言を継続的に行う。

ウ いじめの関係者間における争いを生じさせないよう、いじめの事案に係る情報を関係保護者と共有するための必要な措置を講ずる。

エ 犯罪行為として取り扱われるべきいじめについては、附属学校教育局及び所轄警察署等と連携して対処する。

(3)重大事態への対処

 生命・心身又は財産に重大な被害が生じた疑いや、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合は、次の対処を行う。

①重大事態が発生した旨を、附属学校教育局に速やかに報告する。

②附属学校教育局と協議の上、当該の重大事態に対処する組織(プロジェクトチーム)を設置する。

③上記組織を中心として、事実関係を明確にするための調査を実施する。

④上記調査結果については、いじめを受けた幼児児童及び保護者に対し、事実関係その他の必要な情報を適切に提供する。

(4)学校評価における留意事項

 いじめを隠蔽せずいじめの実態把握及びいじめに対する措置を適切に行うため、次の2点を学校評価の項目に加え、適正に本校の取組を評価し、改善に資する。

①いじめの早期発見に関する取組に関すること。

②いじめの再発を防止するための取組に関すること。

(5)幼児児童及び保護者への周知

 「本基本方針」を web サイトに掲載するほか、年度当初の全校保護者会で保護者に周知する。幼児児童には、本人に理解しやすい形で「いじめ防止等」についての理解を促す指導を定期的に行う。


(参考)
【いじめの定義】 いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)
 (定義)第2条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。