令和6年10月13日 筑波大学附属11校 三浦交流行事
筑波大学には11校もの附属学校があります。小学校、中学校、駒場中学校、高等学校、駒場高等学校、坂戸高等学校の6校に、視覚特別支援学校、聴覚特別支援学校、大塚特別支援学校、桐が丘特別支援学校、そして、久里浜特別支援学校の特別支援5校です。これだけ多くの附属学校、附属特別支援学校がある大学は日本でも筑波大学だけです。そして、筑波大学は附属学校群におけるインクルーシブ教育推進のために、2015年から毎年、交流行事を全ての附属学校から参加者を募って行ってきました。
交流行事は当初(2015~2018)、長野県にある黒姫高原において、宿泊を伴う共同学習として実施されていました。ただ、新しいことが苦手な本校の児童にとっては、知らない土地での宿泊学習に参加することはとてもハードルが高かったのです。そこで、第5回に当たる2019年からは、本校の児童にとっても親しみ深い三浦市で共同生活を行うことになったのです。この時、初めて附属11校すべての児童生徒が参加する交流行事となったのです。
しかし、残念ながら、2020年からはコロナ禍が始まり、宿泊を伴う共同生活は継続することができなくなってしまいました。このまま交流行事がなくなってしまうのではないかと危惧されていましたが、昨年(2023年)、日帰り行事として、三浦海岸と久里浜特別支援学校を会場とした交流会行事が復活したのです。(昨年度は10月22日に昨年度の6年生が参加しました。)
そして、今年は、10月13日(日)にここ、久里浜特別支援学校で交流行事が行われました。久里浜特別支援学校以外の児童生徒は8時に東京キャンパス文京校舎に集まり、2台のバスに乗って久里浜まで来てくださいました。
到着後は、本校の児童6名も合流し、10班に分かれ、活動を開始しました。午前中は国立特別支援教育総合研究所の体育館をお借りし、鈴入り風船バレー、サウンドテーブルテニスに似たレクリエーションを行いました。ここでの活動内容は、各附属学校から3名程度の中高生が生徒実行委員として集まり、「どうしたら全員が楽しめる活動になるだろうか?」と5月から議論を重ねて決定したものです。そして、この交流会自体も教員ではなく、生徒実行委員会の委員(生徒)が進行します。
午前中の活動が終わると、久里浜特別支援学校へ移動し、昼食となりました。昼食は元気パンconeruのパンセットと、津久井浜観光農園産のみかんでした。ご協力くださった「元気パンconeru」様、「津久井浜観光農園」様に感謝です。
昼食の間も、午後の活動を企画した生徒実行委員のメンバーは準備を進めます。午後の活動は探索型工作でした。活動の内容は、久里浜特別支援学校内に設置されたポイントをめぐり、クイズに正解して工作の材料を集め、その材料を使って、与えられたテーマの工作をするというものでした。今回の工作のテーマは「海」。今年の工作ではSONY様から「MESH」というプログラミング可能なIoTブロックも工作材料として貸していただくことができました。
本校の児童たちも、視覚障害や聴覚障害など様々な障害のある生徒も含めて、班のメンバーと一緒に工作を進めることができました。自分のできることを周りのお兄さんやお姉さんに教えてもらいながら活動に参加できていたと思います。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、制作した作品を発表する時間となりました。それほど長くはない時間でしたが、LEDを使って光を出したり、視覚障害がある人も楽しめるようにと、波の音が出るようにしたりと、どの班もMESHを使って様々な工夫が加えられていたことに驚きました。発表が終わると閉会式があり、久里浜の児童たちは前に出て挨拶をしました。その後、バスを見送り、交流会は終了となりました。
運動会の翌日ということもあり、児童たちに疲れはなかったかと心配しましたが、それぞれが楽しめる場面があった交流会だったと思います。企画をしてくださった生徒実行委員の皆さんに感謝したいと思います。ありがとうございました。
なお、この体験を通して感じたことを12月14日(土)に行われる、共生シンポジウムにて動画で発表する予定です。オンラインでも参加できますので、良かったらご参加ください。