小学部の教育目標

  1. 家庭等との連携を図りながら、健康で規則正しい生活をする力を育てる。
  2. 身近な大人や友達との関わりを広げ、適切なコミュニケーション力を育てる。
  3. 様々な学習活動を通し、基礎的な知識や技能を身に付け、日常生活等、様々な場面で力を発揮したり、感じたことや考えたことを自ら表現したりできる力を育てる。
  4. 「できた」「うれしい」「心地よい」と感じる経験を重ねながら、好きなことや得意なことを知り、意欲的に学んだり、新しいことに挑戦したりする態度を養う。
  5. それぞれの生活年齢における環境や身体の変化を知り、変化を受け入れたり、対応したりできる力を育てる。

 小学部では、上記の教育目標のもと、個々の児童の発達の状況や障害の状態などに応じた教育活動を行っている。
 教育課程は、日常生活の指導、生活単元学習(「いきいきタイム」)の各教科等を合わせた指導、国語、算数、音楽、図画工作、体育の知的障害を有する児童のための各教科、道徳科、特別活動、自立活動の指導で編成している。
 特に、自立活動の指導は、日々の教育で大切にしている指導領域である。児童一人一人が、心身の調和的発達を実現することができるように、その基盤となる力を育成することを目指している。児童の指導すべき課題に応じて何を、どのように教えるかを明確にして、指導を行うことに努めている。
 また、どの授業においても、児童が「もっとやりたい」、「知りたい」、「上手になりたい」など、意欲をもって活動に取り組み、様々なことを学ぶことができるような授業を追求している。そうした授業を実現するために、まずは、教師が、児童と同じ物を見たり、同じように声を出したり、一緒に体を動かしたりすることを通して、児童の感じていること、思っていること、考えていることを想像して、関わることを大切にしている。

小学部重点努力事項

今年度、小学部では、以下のことを大切に、実践を行っています。

子供を十分に理解すること

【具体的な取組】

  • 子供の日々の様子や、やり取りを通して、子供の好きなことや嫌いなこと、やりたいことややりたくないことを知る。
  • 学級の教師同士が、日々の子供との関わりを通して感じたことや考えたことなどを伝え合うことを通して、子供の様子を多面的な視点から捉える。
  • 日々の子供との関わりを通して得られた情報や、フォーマルなアセスメントの結果等から、子供の実態を整理し、それぞれの発達段階や生活年齢で求められる力を考慮しながら個別の指導計画を作成する。

子供の自尊心を育み、楽しく、理解できる授業を追求すること

【具体的な取組】

  • 子供を呼び掛けるときは視線を合わせ、子供に伝わるように話し掛けるなど、子供たち一人一人に敬意をもって関わる。また、子供の持ち物は、丁寧に扱う。
  • 子供と存分に遊び、「楽しい」、「うれしい」、「もっとやってみたい」といった気持ちを十分に育む。
  • 子供が何かを感じたり、考えたり、悩んだりすることができるように、教材・教具を工夫したり、言葉を吟味して話し掛けたりするなど、指導法を工夫する。

保護者や同僚、関係者と協力し、子供に必要な指導や支援を考え、対応する人の実情に合わせて継続可能な方法で実施すること

【具体的な取組】

  • 相手の話に十分に耳を傾け、それぞれの思いや実情に応じた支援を見出しながら、互いの一致点を探り、共通理解の基で指導の積み重ねができるように努力する。  ・子供の指導に必要であるときは、家庭、地域の医療・福祉機関、筑波大学等の研究者など、様々な人の意見を求め、協力・連携しながらよりよい指導を検討する。