12月14日  思い出の旅(箱根路)

 11月25日(木)と26日(金)は、小学部6年生と一緒に、修学旅行に行ってきました。行き先は箱根です。 昨年度と同様に、今回もコロナ対策として公共交通機関の利用は避け、移動用のバスをチャーターして行ってまいりました。バスを利用することのよい点の一つは、駅での集合・解散ではなく学校で集合・解散となるため、保護者に加えて先生方も見送りや出迎えに集まってくれる点です。「いってらっしゃ~い!」「お帰りなさ~い!」の声が掛かると、旅行団の気分はさらに盛り上がる感じがしました。

 今回の修学旅行は、昨年度と違って天気に恵まれ、江の島近くまで来ると富士山がはっきりと見えました。昨年度は、残念ながら旅行期間中、雲がかかったまま富士山を一度も見ることができなかったので、富士山が見えただけで得した気分になりました。

 さて、今回の修学旅行ですが、旅程は次のとおりでした。
1日目 学校→箱根園(昼食、水族館見学、寄木細工体験)→芦ノ湖遊覧船
    →ホテル
2日目 ホテル→大涌谷(ロープウェイ)→早雲山→箱根湯本(昼食)
    →鈴廣かまぼこ博物館(あげかま手作り体験)→学校
 旅程の全体を紹介すると長くなるので、私の視点で場面を4つ取り上げて、エピソードをご紹介します。

①水族館
 私はAさんと一緒に館内を回る時間が長かったのですが、Aさんはカクレクマノミとナンヨウハギの水槽が気に入り、何度も何度ものぞき込んでいました。カクレクマノミやナンヨウハギは、ディズニー映画「ファインディング・ニモ」、「ファインディング・ドリー」で人気キャラクターとなった魚たちです。とても小さな魚たちですが、観賞魚として人気が高い魚たちだけあって、泳ぐ様を見ているだけで気持ちが和むので、Aさんが心惹かれるのもわかるような気がしました。

②ホテル
 ホテルでは、Kさん、Nさんと同室でした。部屋に入ってしばらくは、窓辺のソファーに座って、外の景色を眺めたり、すでに敷いてあった布団に寝そべったりしながら、のんびりとくつろぎました。夕方から、外は「ピュー、ピュー」と聞こえるほど風が強く吹き、窓から見える木々が大きく揺れ動いていたので、「明日はロープウエイ、ちゃんと動くかな?」と心配しながら、窓を眺めていました。夕日に包まれる芦ノ湖の景色は、とてもきれいでした。  夜になると、布団の上で飛び跳ねたり、友だちに絡んで転がってみたりする様子が見られ、広い部屋を存分に楽しめているようでした。「そこは、校長先生が寝る場所だよ!」と声を掛けると、一層気合が入って、うれしそうに何度も飛び跳ねていました。

③お風呂
 初日の入浴時間は、入浴前と入浴後の児童を見守るため、私は部屋で待機することになり、残念ながら子供たちと一緒にお風呂に入れませんでした。 しかし、2日目の朝、十分睡眠が取れていた二人は、検温と着替えをさっさと済ませ、布団やシーツも一緒にたたんでしまったので、朝食まで十分時間がありました。そこで、前夜「もうお風呂入らない?」とたびたび尋ねていたNさんの言葉を思い出し、「朝風呂に入ってみる?」と二人に尋ねたところ、共に入りたいと言ってくれたので、担任のM先生に声を掛けて、三人で朝風呂に入ってきました。前夜は、一人で真っ暗な景色を見ながら入った露天風呂でしたが、朝は景色もはっきり見えて、「外は寒い~!」と言いながら、三人でお湯に浸かってきました。

④大涌谷(おおわくだに)
 昨年は、霧が立ち込めて景色がさっぱり楽しめなかった大涌谷でしたが、今年は青空を背景にした雄大な姿の富士山と、地表から噴き出る水蒸気などの白煙がばっちり見えて、大涌谷らしい風景で私たちを迎えてくれました。私が校長になり、3回目の修学旅行ですが、毎年ここで黒アイスを食べるのが恒例になっています。晴れていても結構寒さを感じるなか、口回りを黒くしながら冷たいアイスを頬張る表情が、それぞれ味があって、見ている私たちの頬も自然に緩みました。今年は、黒アイスに加えて、黒たまごを食べる児童もいました。

 大涌谷から早雲山までは、ロープウェイで移動しました。担任のM先生は高い所が苦手とあって、乗っている最中は顔を左右に振ることなく目を閉じ、そして座席にもたれるように腰掛けて、絶対下は見ないという体勢で乗っていました。「紅葉がきれいだね!」とか「富士山がきれい!」とかみんなで話している中、M先生だけは時折ガタンと揺れるたびに、「あっ、やべ!」を連発していました。

 まだまだ紹介したい話はありますが、今回はこれぐらいで終わらせていただきます。
 毎年修学旅行で訪れる箱根ですが、年によって回り方や寄る場所が少しずつ異なり、そして一緒に回るメンバー自体がそもそも違いますので、毎回新鮮な旅になります。今年は、コロナの感染状況が落ち着いている中で実施できたので、感染防止の手洗い、消毒などを淡々と行いつつ、十二分に旅を満喫できたのではないかと思います。

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