うさぎ組(年長児)「学校にお泊りしたよ!」
12月9日、10日に、うさぎ組(年長児クラス)のお泊り保育がありました。当初は、6月に実施予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で12月に延期となっていました。
本校のお泊り保育では、校内施設のデモホームに宿泊します。うさぎ組の子供たちは、まず、普段の活動では使用しないデモホームという場所に慣れ親しめるように、事前学習でデモホームに行き、教師や友達と一緒に好きなDVDを見たり、好きなお菓子を食べたりして過ごすことから始めました。また、デモホームのトイレで排せつする、お風呂に入る、調理をして食べる、といった、お泊り当日と同じ活動を、事前に一つずつ経験してきました。さらに、今回のお泊り保育は、ほとんどの子供たちにとって、生まれて初めて家庭から離れて一晩過ごすという経験となります。毎日13時30分に下校するというスケジュールを理解している子供たちに、午後も学校で教師や友達と一緒にさまざまな活動に取り組み、デモホームで寝て、次の日の朝に家に帰るという活動予定を、写真やイラスト、動画などで示しながら伝え、教師と一緒に確認しました。
いよいよ、お泊り保育本番です。いつもは下校する時刻にうさぎ組の教室を出発して、みんなでデモホームに向かいました。事前学習を通してデモホームが好きな場所になった子供たちは、「わーい!デモホームだ!」と言わんばかりに、軽い足取りでデモホームに向かい、「まだ帰らないの?」と不思議に思う子はいないようでした。のびのび広場での活動や、買い物、おやつなど、午後の活動も教師や友達と一緒に落ち着いて参加していました。家に帰りたい様子はなく、むしろ、普段より長い時間、大好きな先生やお友達と一緒に過ごせることを楽しんでいるようでした。
夕食は、カレーを作って食べました。みんなちょっぴりどきどきしながら、教師と一緒に包丁を握り、にんじん、じゃがいも、玉ねぎなどの野菜を切りました。実際に食べたカレーは、感染症対策のため、教師が衛生管理をして別に作ったものでしたが、以前はカレーが苦手だった子も、ルー少なめのカレーライスをぱくぱくとおいしそうに食べていました。
夕方になると、今日はお家に帰れないということに気付いた一人の女の子が、「ママー!」と言いながら泣き始めました。自分のリュックを背負い、教師の手を引いて玄関まで連れて行き、「帰りたい!」という思いを全身で伝えていました。そんな女の子に、担任が「〇〇ちゃん、大丈夫。お泊りしたら、ママがお迎えに来るからね。」と、女の子の気持ちに寄り添いながら、優しく言葉を掛けました。女の子が好きなアニメを見たり、大好きな絵本を教師が繰り返し読み聞かせたりすると、だんだんと泣き止み、安心した様子で夜はぐっすり眠りました。他の子供たちは、「楽しいからまだ寝たくない!」という子もいて、就寝時刻はそれぞれでしたが、教師や友達と隣同士のお布団で、安心して一緒に休むことができました。
次の日の朝は、お着替えとトイレを済ませ、子供たちがそれぞれの家庭で普段食べている「いつもの朝ごはん」を食べました。朝食のあとは、デモホームでDVDを見たり、おもちゃで遊んだりしてゆっくりと過ごし、9時30分頃にお母さんたちがお迎えに来てくれました。やっとお母さんに会えた子供たちは、うれしくてやっぱり笑顔で、でもどこか「お泊りできたよ!楽しかったよ!」という達成感や満足感を味わっているような、誇らしげな表情でした。
お泊り保育の最後は、お迎えに来てくれた家族と一緒に、写真を見ながら活動を振り返りました。そして、担任から「お泊り頑張ったね!」のメダルを受け取ると、子供たちはみんな、とてもうれしそうでした。子供たちにとっては、一晩家庭から離れて、教師や友達と一緒に過ごす経験をして活動を楽しめたこと、保護者にとっては、我が子と離れて過ごすことでそれぞれ感じるものがあったこと、教師にとっては、保護者の子育ての苦労を体感するとともに、子供たちの成長を感じることができたこと。子供たち、保護者、教師と、それぞれに意味のあるお泊り保育になりました。