筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

運動会 ~玉入れ談義行方~

 雲一つない秋空の下、運動会を行うことができた。先週の土曜日は雨だった。運動会シーズンで中止を余儀なくされた学校が多数あることを聞いていた。今日は、多少暑かったものの、晴れて風もない中で、滞りなく実施できた。まずもって、お天道様に大感謝である。

 子どもたちは、おおむね日頃のようすを表現できたと思う。中には、御家族やたくさんの御来賓の声援を受けてハッスルしたり逆に委縮したりする子どももいた。だが、そのどれもが、現在の子どもたちのせいいっぱいの表現であることは間違いない。その表現に、見守ってくれた方は惜しみない拍手を送ってくれた。このことにも大感謝である。

 さて、私にとっては、今年が3回目の本校の運動会となる。本校の運動会にも紅組、白組はある。といっても、すべての種目を点数化してどちらが勝ちかを競うようにはしていない。学年を超えた団体で行う玉入れとリレーを紅白で競うことにしている。今年は、玉入れが紅組の勝ち、リレーが白組の勝ち、バランスのよい勝敗となった。

 ところで、この2年、職員間で玉入れをめぐって少々議論があった。発端は、入る玉の数が多すぎて数えるのに時間がかかることであった。200個近く入ることから、数の大きさが子どもの理解を超える、という指摘であった。なぜ、たくさん入るのかというと、小さな子供を含めた玉入れ指導として、まず籠に入れることを教え、徐々に投げ入れるということを教えていかなければならない、そんなところからであった。そのため、子どもの背の高さよりちょっと高いくらいに籠を設置する。その籠の位置の調整は難しく、ちょっと背の高い子にとっては、投げ入れるというより、抱え込んでごっそり入れるという状態を招く。とはいえ、背の高い子に合わせるという訳にもいかない。時間を短くすれば良いではないかという議論もあった。しかし、1分で行っているものを30秒にすると、行動を始めるのが遅いtamaire1.png子どもは、玉を入れる前に終わってしまう。入った玉を2個ずつ数える、重さを競うなどというアイディアも出されたが、子どもには分かりにくいということで却下された。

 2年間、様々話し合い、実際の試行錯誤の結果、今年は玉の数も60~70個と、ちょうどよいくらいに落ち着いた。何よりも子供たちの玉入れが上手になった。教師間の玉入れ談義は、何のためにこの競技を行うのか改めて一人一人の教師に考えさせることになり、結果、子供への日ごろに指導に結びついていった。練習により、子供の取り掛かりが早くなり、時間も少し短くできたようである。疑問と改善の積み重ねが小さな成果を生んだのだと思う。