筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

3月13日 花丸の保育修了・卒業式

 今日の保育修了・卒業式の私の励ましの言葉の冒頭。「今日のうさぎ組のみなさん、6年生のみなさんの証書のもらい方は、花丸でした。りっぱでした。・・・」と話した。

 私は、8日の予行を含め、証書授与の練習に3回立ち会った。2月の末に行われた1回目では、「みんな、〇でした」と伝えた。2回目の3月初めには、「今日は、〇〇(丸二つ)です」、3回目の予行で「とても上手になり、〇〇〇(丸三つ)です。」と評価した。そして、今日は「花丸」と表現した。最初から、そのように順序良く表現しようと考えたのではない。子供たちの上達ぶりがそのように言わせたのである。予行の頃には、本番に花丸と言えそうだと確信したので、「〇〇〇(丸三つ)」という表現を使ったということはあったが。

 最初に名前を呼ばれたうさぎ組(幼稚部年長組)のSくん、主事のK先生に名前を呼ばれると大きな声で返事をし、階段を上って低いステージに上がり、私としっかり目を合わせた。修了証書を読む間に3年目前のことが頭をよぎり、思わず声が上ずりそうになった。S君は、しっかりした所作で証書を受け取り、ステージを降りた。

 Nさんは少し心配だった。練習では、先生に促される場面が多かった。主事の先生に呼名されると、声はでなかったが口が大きく開いたのが見えた。ステージ下で待つT先生に向かって歩く。練習ではステージに上がるところで補助されたが、今日は一人でしっかりと上ってきた。証書をわたすと抱きしめ降りようとしない。降りる方向に向きを変えてあげると一人で降りた。

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 6年生は、6年間の成長ぶりが感じられる証書の受け取りであった。成長した体が大きく感じられた。堂々とした動きだったからだろう。ときどき動作を止める子供もいた。どうしたのだろうと心配になる。すると、学級の先生と目を合わせたり、少し体を揺さぶったりして次の動作に移った。一人一人、本番の緊張を味わっての行動だったのだと思う。6年生は、この日を見越して、4月から毎月の終わりにレベルアップ証書授与なることを行ってきたのだという。「卒業証書をもらう」という、分かりにくい振舞い。その意味を一連の行動を繰り返すことによって少しずつ体得させてきたのである。一番安心して参加できたのは本人たちだったのは間違いない。

 今日の卒業式は70分かかった。証書授与の後に、校長や来賓の祝辞、卒業生の思い出発表と続いた。70分は、ほぼ予定通りである。幼児や小学部の子供にとっては長いだろうか。だが、子供たちは座っていたし、騒ぐことはなかった。もちろん、ときどき声を出す子供もいたし、多少立ち上がる子供もいたが気になるほどではなかった。

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 うさぎ組のあるお父さんが言った。「うちの子が座っていられるようになっただけで、成長を感じました。」と。私は、「そうですね。でも、それはただじっとしていられるようになっただけではありません。それだけの時間、注意を向けられるもの、興味のあるものができたのです。周りが分かってきたのだと思います。」と応えた。

 今日、本校を卒業した子供たちが、それぞれの進路先で、好きなことやがんばれることを見付けてくれることを願う。修了・卒業おめでとう!