筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba
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8月29日 異なる環境で感じる子供たちの成長~三浦海岸共同生活を通して~

8月29日 異なる環境で感じる子供たちの成長~三浦海岸共同生活を通して~

 退村式で、6年生のY君が次のような感想を述べた。

 「ビーチ活動ですっごくびしょぬれになって、シーカヤックで波で遊んだり、高校生の人とお風呂に入ってとっても楽しかったです。ありがとうございました。」

 Y君の2日間を思い浮かべてみた。確かにY君にとって印象深いことだったろう。服のまま海に入って波と戯れ、服はびしょぬれになった。初めてのシーカヤックは、先生と一緒だったが、カヤックの前に乗り、波に揺られて進む乗り心地を存分に楽しんだようだ。高校生と一緒に入ったお風呂では、終始笑顔を絶えなかった。そんなY君の光景が浮かんできた。

 活動はたくさんあった。焼きそばやピザも作った。キャンドルサービスもあった。レクリエーションもした。感想は、たくさんの中からY君が選びとった三つの活動なのだ。出来事を並べただけに聞こえるかもしれないが、一緒にいると心が伝わってくる。思わず拍手をしてしまった。

 この夏、三浦半島にあるYMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ(旧、三浦ふれあいの村)で、筑波附属の6校の児童生徒が共同生活を行った。1泊2日の交流生活。冒頭の感想は、その最後に、各学校の参加者代表が一人ずつ述べたときのものである。筑波附属の中学校1校、高等学校3校、そして聴覚特別支援学校からも参加があった。本校の6名の児童を加えて総勢28名である。本校以外は中学生、高校生であり、お兄さん、お姉さんということになる。

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 筑波附属の共同生活の取組は、今年で4回目である。今年も7月の終わりに長野県北部にある黒姫高原で本校を除く学校の小学生から高校生までが集った。多様な個性の人間が集い、共同で生活し、共同で意味あることを創造しようという取り組みだ。次代を担う彼らに、いろいろな個性を持つ人々が手をとることの楽しさ、大切さ、大変さを知ってほしいとの思いである。とはいえ、黒姫高原は久里浜の小学生にはあまりにも遠かった。その黒姫の取組を来年度からは三浦で行うという。しからば、今年、試行的に参加してみようということになった。

 引率の一員として私も参加した。6年生は、1年に入学したときから見ているが、それぞれに成長してきた。一方、非常に個性的な子供たちである。好き、嫌いがはっきりしており、嫌いなときには大きな声でいやだと言ったり受け入れを拒んだりする。初めての経験、事前交流で出会っただけの中学生・高校生という中で、うまくやれるだろうかと心配した。

 しかし、冒頭のY君に限らず、一人一人が楽しんだ場面がたくさんあった。焼きそばづくりで、K君は高校生と一緒に野菜を切った。薪で火を起こすことに興味をもったH君は、高校生と一緒に、針金できつく縛られた薪の束を地面にたたきつけてばらばらにした。アニメのキャラクターを描くのが得意なN君は、共同制作で高校生を驚かせた。カヤックの前に乗りパドルをもったJ君は、パドルを回転させ交互に水をかいた。R君は、中学生や高校生に話かけられることが多かった。こんな面もあるのかと、改めて気付かされることの多い共同生活であった。