筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

ステップバイステップ ~1年生の心電図検査の取組~

 6月8日 ステップバイステップ ~1年生の心電図検査の取組~

 廊下を通りかかると1年生の学級だよりが目に止まった。

 そこには、1年生が初めての心電図検査にどのように取り組んだかが書かれていた。本番に近い練習を段階的に行った結果、当日、6名全員が落ち着いて検査を受けることができたと言う。

 日頃、保護者の皆さんから,通院や検診に連れて行くことは大変だと聞く。心電図検査が滞りなくできたことは,保護者の皆さんにとっても嬉しいことだろう。

 どんな過程を経たのか,学級だよりから拾ってみよう。

 1回目の練習は教室で行われた。まず,「心電図検査がどういう手順で、どのような道具を使い、どうなったら終わりなのかを知ってもらうために、ぬいぐるみを使って実演をして見せ」たそうである。その後,一人ずつ心電図の検査器具を付ける練習をしたそうだ。「ドキドキしながらもみんな上手に練習をすることができ」たそうである。

 ここでのポイントは,いつもと変わらない教室で行い安心感を与えたこと,いきなり子供が行うのではなく,ぬいぐるみによる実演により全体を理解できたことだろうか。

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 2回目の練習は翌日だった。この日は,手順はそのままに,場所を保健室に移したとのことである。だから検査器具を付けることには慣れていて,「検査中はじっとしていることという約束も、教師と一緒に数字カードを見ながら30数える方法で守ることができ」たのだそうである。

 一つだけ条件を変えたのがいい。同じ条件があることで安心でき,変化があることで興味を新たにする。上手な導き方だと思う。じっとしていることに具体的な見通しを持たせている点もいい。

 そして3回目の本番。検査は,来校していただいた検査技師の方にお願いする。本番独特の雰囲気もあったそうで,子供たちには緊張感もあったそうだが,「今までの練習と同様,落ち着いて検査を受けることができた」ということである。

 いつもと同じ担任の先生が見守ってくれ,慣れてきた場所と手順があった。そうしたことが,本番の緊張感を乗り越えることにつながったことだろう。

 一人一人にそれなりのハードルがあったことだろうが,みんな,それを跳び越えることができた。高いハードルだったり低いハードルだったりしただろうが,「できた」という実感を蓄えることができたに違いない。その実感は,次のチャレンジへのエネルギーとなる。

 ステップバイステップ,一歩ずつは小さくても,いずれ大きな歩みとなることだろう。