筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

夜間訓練の経験~寄宿舎地震津波訓練~

 5月10日 夜間訓練の経験~寄宿舎地震津波訓練~

 今晩、寄宿舎の子供たちが,夜間の地震と津波に備えて避難訓練をした。本校は海沿いに立地しているで、津波の警戒が必要なときは裏山に逃げる。子供の足で10~15分程かかる。夜間であるから、全く外灯などない夜道の山登りである。私は、避難の様子を観察する立場で参加した。

 訓練の時刻になると、防災頭巾を被った子供たちが寄宿舎の非常口から出てきた。騒いだり動き回ったりすることもなく、落ち着いて行動している。裏山への夜道の移動も、どこか楽しげである。この訓練を繰り返し行ってきたからだろうが、暗さを怖がったり慌てたりする様子もない。R君は、足元を照らす懐中電灯の灯りを見てにたにた喜んでいる。懐中電灯の灯りに頼って歩くという経験もなかなかできないことである。

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 さて、訓練も無事終わり、裏山を降りるときに、K君に「どうしてここにいるの?」と聞いてみた。彼は「これから寄宿舎に帰ります。」と答えてくれた。「地震だから」とか「津波」という答えを期待した私は当てが外れた。だが、K君の答えは正解である。今、まさに彼は、その地点から寄宿舎に帰ろうとして待機しているのだから。私の聞き方が正確でなかったのである。

 寄宿舎に戻ると、私には訓練の講評をするという役割があった。そこで、私は、K君に「どこに行ったの?」と聞いた。K君は「裏山。」と答えてくれた。S君とY君には「誰と行ったの?」と聞くと、友達や先生の名前を挙げてくれた。

 講評では、今日の訓練を振り返る。「何のために」を振り返ることは難しかったが、「誰と」「どこに」は印象に残っていたことを確かめることができた。子供たちの記憶には、「友達」や「先生」,そして「裏山」という記憶が,「怖くないこと」という実感とともに積み重なっているのだろう。だから、今日も落ち着いて避難訓練をできたのだと思ったしだいである。