筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

角番校長の挨拶日記その7 ~省エネタイプ?~

 自閉症児によく見られる特性として「こだわり」がある。おもちゃを一列に並べたり、決まった手順を厳格に守ったりすることなどが例に挙げられる。

 朝の挨拶でも、一度決まった手順を毎日しっかり行う子供がいる。私の前に立つ位置、最初の向き、それを修正して向き直ること、そしておもむろに挨拶し、横を向いて立ち去るといった具合である。途中で声をかけたりするととても困った顔をして、困惑した顔をする。決まった行動をすることに安心感を覚えるタイプである。

 だが、こうした子供ばかりではない。できるなら何もせず通りすぎようとする子、相手が声を出すなら自分は声を出さない子、まるで省エネをモットーとしているかのような子供もいる。5年のMさんもそんな一人。これまで、お互い「おはよう」と言っているように思ってきたが、どうもこの頃Mさんの声が聞こえないような気がしていた。

 そこで今日は、Mさんが前に立ったところで、私からは挨拶せずに待った。Mさんはお辞儀をしたが声はやはり出していない。私の声が聞こえないと思ったMさんは顔をあげ、私を見上げる。私が待っていると「おはよう」と言ったもののキョトンとした表情。私が「おはようございます」と返すと、ほっとしたように立ち去っていった。

 時々は、このような変化球も必要なのかもしれない。