筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

K君の運動会始動か?

 教育実習が終わったばかりであるが、先生たちはその余韻に浸るまもなく運動会の準備にかかっている。今年の運動会は、今月の24日だからあまり余裕はない。

 幼稚部では、環境を通して子どもたちに運動会を意識させようと工夫している。先日、幼稚部全員で行う「あつまりタイム」で、去年の運動会を振り返りながら、今年の運動会についてお話があった。その後、プレールームや教室に紅白分けや玉入れなどの掲示も行われている。玉入れのものはよく工夫されていて、壁面に書かれたかごにマジックテープが貼り付けられていて、子どもたちが投げる玉がマジックテープに当たるとくっつくようになっている。なるほど、ことさらに練習などしなくても子どもたちは遊びながら玉の投げ方、玉入れというゲームの仕方を学んでいけるようにしている。

 今朝、幼稚部のプレールームに行って見ると、着替えが終わったうさぎ組(年長)のK君が紅白分けの掲示の前にポツンと立っていた。私に気付くと、手を取り一緒に走る。私には何のことか分からなかったが、とりあえず一緒に走った。と言ってもプレールームのこと。すぐ壁にたどり着く。すると、K君今度は私の手をとって反対に走り出す。自分は、すぐに走るのをやめるが、私が走り続けるのを見て喜ぶ。私が壁の前で止まると、K君がやってきて、また反対方向に走らせる。そして、その様子を見て笑っている。その後2度、私を走らせた。

 息が上がってきたので、K君にもういいよという仕草をすると、K君は無表情になり当たりを見回した。そこに、ちょうどT先生がやってきた。T先生は若くて元気がいい。K君は満面の笑顔でT先生にかけより、同じように手をとって自分も一緒に駆け出す。が、すぐに自分は走るのをやめT先生が勢いよく駆けていくのを見て喜んでいる。

 担任の先生に聞くと、この遊びは最近始まったらしいが、運動会とは関係がないとのことである。「行ってこい遊び」と呼んでいるという。大人の手を取って弾き飛ばすようにし、戻ってくる大人の反応を楽しんでいるのだそうだ。運動会と関連付けたのは、私の早とちりであった。

 トランポリンをはじめ体を動かすことが好きだったK君が、人を動かす遊びを楽しめるようになったことが嬉しくなった。今年の運動会、当日のK君がどんな走りを見せてくれるか楽しみである。