筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

ひよこの夢~「お友達招待デー」というアイディア~

 現在、校長と保護者の懇談会を行っている。1クラスの保護者と校長の年に1回の話し合いの場である。新米校長としては、これまでの保護者の皆さんの学校への協力に感謝しつつ、保護者の皆さんの苦情や不満、要望等に真摯に耳を傾けようと思っている。今のところ子どもたちの成長ぶりや教職員への感謝の声が多い。教職員の不断の努力をきちんと受け止めてくれる保護者がおり、そうした保護者の存在によって教師が元気づけられている、そんな構図になっているようで嬉しい限りである。

 建設的なアイディアはいろいろ出てきている。その中の一つが、今日取り上げる「ひよこの夢」である。なぜ、ひよこか。本校、幼稚部の3歳児のクラス、すなわち本校で一番年齢の低い子どものクラスが「ひよこ組」である。そのひよこ組の保護者との懇談で、こちらも今年度4月から校長になった新米である。ひよこ組の保護者とひよこレベルの校長が語りあった夢である。

 あるお母さんから「近所のお友達にS君が通う学校を見てほしい。S君がこんなにいい先生たちに教わっていることを知ってほしい。」との提案。新米校長は思う。なるほど「交流及び共同学習をもっと進めてほしい」ということだな。居住地校(園)交流なども望んでいるのかと思いつつ、本校の交流の現状を説明。しかし、どうもS君のお母さんが期待することは、単純に学校同士の交流を進めたり、S君が居住地校(園)に行ったりすることではないようである。あくまで本校にいるS君を、S君のお友達に知ってほしいとのことである。

 我々は居住地というと子どもが住んでいる地域に出掛けることを考えがちである。しかし、子どもが通っている学校も地域にあるとするなら、子どもが一番力を発揮できる場である学校に、そこに地域の子どもたちが来てほしいという考えなのである。

 このS君のお母さんの提案、ほかのお母さんからは、「大人でも来てほしい人」や「来たいという人」もいると大いに盛り上がった。そうするとあるお母さんから「お友達招待デーをやればいいじゃない」とのアイディア。「交流及び共同学習」のように学校同士、学校と地域といった発想から抜けられないでいた校長からすれば、目からウロコの発想。本校主体で、地域を学校に呼び込んでしまおうというアイディアなのである。はてさて、ひよこたちが見た夢、ベテランの教職員はどのように受け止めてくれるだろうか。