筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

響き合うからだ ~絵本の読み聞かせを通して~

 昨日に続き、3歳児学級のひよこ組でのこと。

 Hさんが担任のT先生のそばに行き、棚にある絵本を取ってくれるようせがんだ。T先生が、ある絵本を手に取りHさんに見せる。Hさんが満面の笑顔になる。

 T先生は座って読んで上げるのかと思っていると、立ったまま絵本を開きHさんに見せる。Hさんは絵本とT先生を交互に見ている。T先生とHさんの目が合う。それを機にT先生が読み始める。すると、Hさんはピョンピョン跳びはね大喜び。両手を後ろに伸ばし、お尻を突き出したポーズもとる。それに応えるかのようにT先生も同じようなポーズをとる。いや少し違う。Hさんは跳びはねているが、T先生はその場で駆け足でもしているかのよう。二人の「からだ」が共振しながら、楽しさを増幅しているようだ。Hさんの体の表面を通して表された感情が、T先生の体に伝わっているようだ。T先生の表した感情がHさんに跳ね返っているようにも見える。二人がからだの表面で同じことを表すことによって、お互いが「先生も楽しそうだ。」「Hさんも楽しそうだ」と感じているよう。相手の気持ちを、自分の体を通して理解しているのだろうか。こうして体験の共有ということがなされるのかもしれない。

 T先生が読み進む。290202_1.png二人の動きが止まった。T先生が少しかがんでお尻を突き出し、お尻の辺りに手をやり「プシュー」と言う。Hさんは、その様子を見て、体の動きを止め、自分もかがんで手を後ろに伸ばした。T先生と同じことをやろうとしているようだ。体の動きをまだ真似ることはできないが、自分のできる動きの中でしたつもりになっているようだ。HさんとT先生の創る共有の世界は、響きあうからだを通して広がっていくことだろう。