筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

初めての「お・は・よ」

 朝の玄関。私は、子供たちが靴を履き替え、教室に向かうところにあるコーナーに立って子供たちと挨拶を交わす。

 靴を履き替えて、K先生と手をつないで私の前まできたのは1年生のNさんだ。何やら思惑ありげにK先生が立ち止まると、Nさんも立ち止まった。K先生はNさんに「お」と促すように声をかけた。すると、Nさんは私に向かって「お・は・よ」と発声した。私にしてくれた初めての朝の挨拶であった。

 K先生によると、このところのNさんは、よくお話しするようになってきたのだそうだ。よく慣れた人には笑顔を向け、身振りや表情でいろいろなやりとりをする。私はと言えば、4月からNさんにはあまり好かれていないようで、玄関ではそっぽを向かれるし、教室に入ると「バイバイ」と締め出されることもあった。担任のK先生は、Nさんの最近の成長ぶりから、校長にも挨拶できるだろうと読んだらしい。

 12月に入り、今朝はことのほか寒い朝であったが、Nさんから発せられた「お・は・よ」は私の心を温めてくれた。