筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

はじめての「おはよう」

 今年、本校に入学した1年生のA君が、私の「おはよう」に初めて「おはよう」と返してくれた。傍らにいた担任のK先生も驚いて「初めて挨拶しましたよね」と私に確認を求めてきた。私も期待しない反応に驚いており、「そうそう」と言う声が上ずった。

 A君は、1学期間はお母さんが同行していた。お母さんと別れ、靴を履き替えて教室に向かうが、途中に私がいて、A君を止めて、私が挨拶しても、私がいないかのように教室の方に向かっていく。それが続いていた。A君が私を認識するには時間がかかるだろうと思っていた。

 1学期、教室に行くごとに、A君の表情が柔らかくなり言葉を発することも増えていった。2学期には、バス通学を始めた。教室では、先生や友達に対する意識が変わってきていたようでもある。

 今日は、私に挨拶してくれたが、学級でもグループ学習に行く担任を見送ることがあったそうだ。担任が「いってきます」というと、A君が教室の入り口まで一緒に向かい「ばいばい」と伝え、手を振った。見送られた担任もとても感動したそうである。ただ、教室に帰って、声をかけても応えてくれなかったそうではあるが。多くを望んではいけないとは思うが、私には明日も挨拶してくれないだろうかと期待している。