筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

授業を創る教師たち ~自閉症教育実践研究協議会に向けて~

 2月11日と12日、自閉症教育実践研究協議会を開催する。今年も全国から自閉症教育に関心のある方々に御参加いただき、授業研究と研究協議を行う。御参加の皆さんと、自閉症教育の充実に向けて実りある協議ができることを願う。

 今年の本校の研究テーマは「子供たち一人一人が確かに育つ授業づくり」である。小学部は、本校独自の形態である「いきいきタイム」の授業を見直していくことになった。この指導は、子供たちが家庭や地域社会で生きていくために必要な力を育むことをねらいとして、学級の時間と学年縦割りの時間を設けている。今年度は、小学部の教員たちが指導の難しさを感じている縦割りグループの時間を検討することとしている。

 今日、小学部低学年「にじ」グループの授業を見た。プレイルームで、キャスターで思い思いに遊んだあと、自転車遊びということになった。すると、N先生が器具庫から自転車に乗って現れた。その自転車の後ろが立てるようになっているが、そこにH君が飛び乗った。A先生も2人乗りできる三輪車で登場した。その後ろにはK君が乗った。J君の自転車の後ろにはかごがついていて、そこにS君がチョコンとのっている。I君は一人で乗っている。ベンチにK先生が座っていて、その隣でM君とK君が待っている。足をばたつかせているが、目は他の子どもの動きを追っている。そんな授業の一場面であった。

 にじグループの子どもは、行動的かつ個性的な面々の集まりである。興味のあることであれば教師の誘いに応じるが、授業が面白くなければじっとなどしていない子供たちである。共通の活動テーマを見つけることが難しく、教師たちは授業創りに悩みぬいていた。


2学期、ハロウィンをテーマにした飾り作りの授業。子どもたちは何のために作業をするのか分からず、jyugyoutukuru.png活動に集中していない。立ち歩く子どもが多く、とても集団での授業の体をなしていなかった。教員たちは、家庭や地域社会で必要な力を育むというこの授業のねらいをいったん棚上げにして、まずはこのグループが共通に活動できることを見つけることから始めた。それが、乗り物遊びだった。乗り物という共通の興味を出発点としながら、そこで、他者を意識することや一緒に遊ぶこと、協力して準備・片付けをすることなどを徐々に盛り込むようにしてきたのだという。今日の授業では、教師と子供が、あるいは子ども同士が一緒に活動する姿が結構見られた。

 さて、この先、子供たちがどんな成長を見せてくれるか。テーマにせまれるのはこれからである。