筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

表現する力を育てるために ~自閉症教育実践研究協議会~

 本校主催の自閉症教育実践研究協議会を、今週末の6日(金)、7日(土)の両日に渡って開催する。全国から200名ほどの方に御参加いただく予定である。

 今年度は、本校から「表現する力を育てる指導」について、2年間の実践研究を提案する。

 言うまでもなく、思いや考えを表現する力を育てることは、今日の重要な教育のテーマである(「思考力・判断力・表現力等をはぐくむ」こと「は基礎的・基本的知識・技能の確実な習得」と並ぶ現行学習指導要領の課題)。このことは、障害のある子どもにとって、何ら代わるものではない。

 課題場面で、課題について思い考え、思い考えたことを表現することによって解決を図る、こうしたことは誰にでも生じることである。自分の思いや考えを適切に表現することは、自立し社会参加する上で欠かせない力であるし、自分の人生を豊かにするためにも大切なことである。

 しかし、自閉症の子どもは、自分の思いや考えを適切に伝えられないことから、やりたいことができなかったり欲しい物が手に入らなかったりすることがしばしば生ずる。あるいは、自分の思いや考えのままに行動して、周囲を困らせたり周囲と軋轢を起こしたりすることもある。適切に表現することや表現する力を育てるにはどうしたらよいかが、私たちの関心となった。

 子どもの思いや考えは、表現されて初めてその一端を知ることができる。表現されたことから、子どもの思いや考えを推測し、その思いや考えに働きかけ、それを豊かにしながら表現する力を育てなければならない、そのためにはどうしたらよいか。私たちは、この2年間、表現する力を育てる手立てを求め、試行錯誤をしてきた。

 この表現する力を育てる研究については、3つの事例をステージで発表し、8つの事例をポスターで発表する。そして、それらを全体としてまとめる。また、表現する力を育てる授業の在り方について、授業を公開し、助言者を交えて協議することとしている。どうか、参加された皆様には忌憚のない御指導をいただきたい。

 全校で取り組んだ研究のほか、教材展示や児童生徒の作品展示を行う。日常の実践の一端を紹介するものであるが、全国の皆さんと授業実践について様々な話題で交流したいと考える。

 今年度は、学内研究として取り組んできた様々なテーマについてもポスター発表を行うこととしている。自閉症教育が抱えている課題、自閉症教育を充実させる視点はたくさんある。本校の学内にある問題関心と現在の取組状況を発表させていただく。皆さんの関心をお聞かせいただき交流ができることを期待している。