筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

修学旅行同行記 その4

R君のネタばらし

 2日目は晴天に恵まれた。まずは芦ノ湖で遊覧船に乗る。箱根の遊覧船は海賊船を模している。R君は海賊船に乗ることを一番の楽しみにしていた。

 終わりかけではあるが紅葉もまだ残っている。しばらく進むと雪をいただいた富士山が見える。R君は少々興奮ぎみながら、デッキをあちらこちらと動き回り移り変わる景色を楽しんでいる。

 ひとしきり外の景色を味わった後は、船内の探検である。ここでもR君は積極的で、船内をくまなく歩き回り、興味のあるものをじっと見て、何かを感じ取っていたようである。

 船が桃源郷港に着いた。紅葉シーズンの終わりではあるが、港には乗船する人が長い列を作っていた。6年生は、降りる準備のためにデッキに並んだ。眼下には、これから乗船する人たちがこちらを見上げているのが見える。するとT先生、下で並んでいる人たちに向かって「オーイ」と呼びかける。それにつられてR君も「オーイ」shuugaku-ryokou_h26_7.pngと呼びかける。下の人たちも手を振って応える。R君、それを見て、「富士山が見えたよ。」と大きな声で話しかける。下の人が、笑顔や笑い声とともに、また手を降ってくれた。それに気をよくしたR君、「船の中に海賊の宝物があるよ。でも、それは偽物だよ。」とネタばらし。これには、下の人たちからドッと笑い声が聞こえた。

久里浜まで

 芦ノ湖での海賊船遊覧の後、ロープウェーで大涌谷を登った。我が旅行隊で、ロープウェー1基を占有できたので、富士山をバックにした写真をたくさん撮ることができた。

 大涌谷は、ボランティアガイドさんに案内していただいた。硫黄ガスに毒性があることや箱根で元気をもらえる植物があること、「黒たまご」の作り方などをていねいに教えてもらった。旅先での人との触れあいは子どもたちにいつまでも忘れられない思い出となることだろう。ボランティアガイドさんに感謝である。

shuugaku-ryokou_h26_8.png 箱根湯本まで戻り、子どもたちは、久里浜で待つ人たちを思い浮かべながら、学校で決めてきたお土産を買い求め帰路についた。

 久里浜駅では、心配したであろう表情を安堵に変えた保護者が待っていた。6年生の面々は、旅行中一番いい笑顔で「ただいま」と言っていた。きっと、一人一人の心に伝えたいいろいろな想いがいっぱいあることだろう。