筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

修学旅行同行記 その3

「♪箱根の山は天下の険♪」口ずさむK君

 東海道線では混雑を避けるためにグリーン車を使った。グリーン車の1階席に陣取ると、ゆったり感はあるし景色もいい。しばらくするとK君から箱根八里の歌が小さな声で聞こえてきた。完璧な歌詞である。「よく知っているね。」と言うと「音楽の時間にG先生から習ったんだ」との答え。事前勉強を積んできたようである。

shuugaku-ryokou_h26_5.png 午後、箱根の山をバスで登った。するとG君「苔が生えている」「天下のはすごいね」と箱根八里の歌詞を、実際の箱根で見付けいく。そのうちに箱根八里の歌が誰歌うともなく始まった。6年生は後方に座っていたが前のお客さんも歌声に気づいたようで振り向く。紅葉を楽しんでいるといったお客さんが、ほほえみを浮かべて子どもたちの歌声に耳を傾けている。我が6年生は、バスに同乗した皆さんに、少しばかりの旅情をプレゼントしたようである。

NさんとT先生の師弟愛

 1日目の見学を終えた子どもたちの楽しみは宿の食事である。この日は、バイキング方式。好きなものをいっぱい食べられるとあって子どもたちは心待ちにしている。食事前に、バイキング方式の約束を確認する。一度、自分の皿に取ったらきちんと食べること、つまり食べられる分だけいただくということである。6年生は、夏の宿泊学習等でこの経験をしているし、毎日の給食でも、学んでいるはずである。

 だが、食べ物には誘惑がある。Nさん、ポテトと肉をてんこ盛りにしてきた。どう見ても一人分には多い。shuugaku-ryokou_h26_6.pngT先生に「残さないんだよ」とたしなめられても「だいじょうぶ」と自信満々。最初はおいしそうに食べていたが、だんだん食べ飽きてきたよう。T先生は厳しいことを言っていたが、「Nさん、先生のと取り替えっこしようか」と誘い、Nさんにはほかの物を食べさせながら、Nさんの残りの消費に協力してやっている。麗しい師弟愛である。

 食事も後半になり、Nさんも満腹そうに見えた。ところが、周りがデザートを食べ始めると、Nさん甘い物は別腹とばかりに、ケーキ、アイス、チョコフォンデュを次々と平らげた。T先生「こんなことなら、さっき協力するんじゃなかった」と。食べたもんがちである。