筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

角番校長の挨拶日記 その9 ~夏休みの話~

 昨日,始業式の話で私の夏休みを紹介したので,今度は,子供たちの夏休みの話を聞かせてもらおう,と書いた。

 そしたら,今日,夏休みの話を自分からしてくれた子供がいた。3年生のS君である。S君は右目が病気で見えにくい。そのため何かを見ようとすると小首をかしげ,顔の正面に左目を据えようとする。このため歩くときも左側を先に出しながら,ゆっくりと歩く。

 スクールバスで登校し靴を履き替えたS君。ゆっくり私の方に近づいてくる。そして,1mぐらい距離を置いて向かいあい,膝をちょこんと曲げる。とてもかわいい仕草で挨拶をしてくれる。私が「おはよう」と応えると,S君は角を曲がって教室に向かう,いつもは。

 今日は,違った。挨拶をすると私に近づいてきて私の手をとる。右の人差し指をとると,壁に向かい私の人差し指で何かを書き始める。上から下へ線を引いたようだ。私には分からなかった。S君は続けて、数字の「2」のようなものを書いた。それでも分からない。続けて「3」を書く。ようやく数字を書いているのだと分かる。4,5・・・・10まで書く。

 びっくりである。発語がないので,挨拶も身振りでしてきたS君。担任に聞いてみる。最近,周りのことがよく分かってきて,文字や数字に関心をもってきたとのこと。数字は夏休み中,家で練習して覚えたらしい。

 どうやらS君は,夏休みに数字を覚えたことを,私にも伝えてくれたようである。