筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

角番校長の挨拶日記 その7 ~違いに気づく先生~

 いつも笑顔で自分から挨拶をしてくれる4年生のMさん。今日は、横を向いて私の前を素通りしようとする。「Mさん、おはようございます。」と言うと、「おはようございます。」と返してくれたが元気がない。そして、そそくさと立ち去ってしまった。「おかしいな」と思ったものの、子供にもいろんな気分の日があるだろうと了解しようとしていた私に、担任のK先生が近づいてきて言った。「きっと、登校の途中でお母さんに叱られたんですよ」と。「えっ、そんなこと先生分かるの」と聞き返すと、「いつも見ていますから」との答え。

 後で、K先生が教えてくれた。登校の電車でドアに寄りかかって、お母さんに注意をされたとのこと。お母さんは、そのことでMさんの気持ちが揺れていることを、連絡帳に走り書きしてK先生に教えてくれた。

 K先生は、Mさんのいつもと違う登校時の様子に気づき、何があったのか想像をめぐらし、玄関ではさりげない対応をして、教室でていねいにフォローすると決めたらしい。ほかの子供や教員もいる玄関でこまごまとしたやりとりをしては、かえってMさんの動揺を大きくするとの判断である。その判断が的確であったことは、Mさんが朝のうちに立ち直ったことが証明している。K先生の見立てお見事である。

 いつもの状態を知っているから、いつもと違うことに気づく。いつもの状態を知っている担任の存在は大きい。