筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

角番校長の挨拶日記 その6 (「間」の大切さ)

 対人関係は「間」が大切である。話をするときの間合い、誰かと一緒に歩くときの間の距離等、数え上げたらキリがない。挨拶においても「間」が大事である。

 3年生のY君は、この「間」の取り方が苦手である。誰にでも異常に接近して抱き付いてしまうところがある。そして、そのとき相手の手や腕を「ぎゅっ」と握ってしまうものだから、初対面の人などはびっくりしてしまう。

 4月から新しく担任になったK先生は、この行動を直してほしいと思い、毎日、私のところにY君と手をつないで来て、70~80cm位の間をとって挨拶することを繰り返した。K先生はY君のお手本になるように、大きくはっきりした動作を見せるようにした。

 初めのうちは、近づこうとするY君を、先生が止めていたが、毎日決まった場面で繰り返されるお手本の意味を、だんだんにY君も分かってきたようで、先生の制止を振り切ってまで近づいてこようとはしなくなった。しだいに、先生と手はつないでいるが落ち着いて挨拶できるようになってきた。

 今日、私の前に来たY君とK先生の手は離れていた。先生と一緒にはいるが、Y君は自分の意思で私との間をとっている。人のところに飛んでいきたいという気持ちを抑えるには、どれだけの自制心が必要なのだろう。Y君は、自分でそれをコントロールし始めたのだろう。いろいろな人との出会いの多様さをY君に味わってほしいものである。