筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

角番校長の挨拶日記 その5 (体の成長・心の成長)

 児童期は体の成長も心の成長も目覚ましい時期である。うっかりすると、親も教師も置き去りにされかねない。

 2年生になったR君、1年に入学した頃に比べ体は2回り位大きくなった印象である。言葉による挨拶はないが、毎日、私と片手タッチを元気に交わしていく。彼は学校に来るのが大好きで、朝は早くから登校の準備を済ませ、一緒に出かけるお母さんの準備ができるのを待つそうである。

 だから、登校後もあまり履物の取り換えに時間をかけないR君であるが、この日ばかりは様子が違う。いつもの内履きに替えても教室に行こうとしない。脱いでしまう。そんなやり取りを何度かして、担任は内履きが小さいのだろうと気づいた。そこで、教室に行き、玄関のものよりは少し余裕のある体育館履きを持ってきた。確かに楽に履けた。そばで見ていたお母さんもホッとした様子。ところが、R君はそれも気にいらないといった様子で脱いでしまった。お母さんは、「今日だけそれを履いて、帰ったら新しいのを買ってあげるから」と言うが、本人は納得しない。といって、本人の表情からはそれ程困っている様子や危機感はうかがえない。

 するとR君、近くにあった来客用の靴箱からスリッパを出してきて履き、にんまり。これで解決と言わんばかりである。R君には、どこかの時点でこの解決方法のアイディアが浮かんだようである。それが余裕のある表情として見えたのだろう。R君、足も大きくなったが、心も成長していたようである。